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和食検定について

桜
和食検定について: 詳細

和食検定 入門編

和食についてこれから学ぼうとしたとき、何から学習したらよいでしょうか。

一般財団法人日本ホテル教育センターでは和食検定 入門編テキストを活用して、検定試験を実施しています。

下記に主な目次を記載しますので参考にしてください。

第1章 和食文化

  1. 和食文化とは

  2. 一汁三菜とは

  3. 和食文化誕生

第2章 和食文化の継承

  1. 地域の食材と郷土料理

  2. 行事と和食

  3. 四季の食材と料理

第3章 和食文化を生み出す世界

  1. 和食文化を生み出す食材と料理

  2. 和食の味わいを生み出す要素

  3. 和食を演出する要素

第4章 和食の技とおもてなし

  1. 和食と料理

  2. ご飯を炊く。出汁を取る

  3. 和食の技 和食のおもてなし

終章 未来に向けて

未来につなぐ和食文化
和食のバランスを見直す

和食検定について: リスト

和食検定入門編ポイント整理

和食検定について: 機能紹介
茶器

和食と言う言葉は外国の方々だけでなく、私たち日本人にも日本料理を連想させます。
しかし、その成り立ちには日本の歴史や文化・風習・気候・風土が関わり一つの文化として熟成されて来ました。
「入門編」では和食の世界の料理や食材・歴史などの和食の基本的な概容を学習します。先ずは和食の特徴について見て行きましょう。

日本の食は自然がもたらす気候や地理的影響を大きく受け、豊かな水に恵まれた結果、米を主食とする文化を育てました。
同時に料理は上手に四季を表現し季節感を視覚・嗅覚そして味覚に訴える手法を形成して来ました。
また、古代からの神事や冠婚葬祭、節供、地域性などの文化と共にそこで供される様々な料理を伝承し育てて来ました。
日本古来からの文化を守るだけでなく、異文明との交流によってもたらされた外国の文化を和式化し新たな食文化も生成して来ました。
こうした様々な要素と食の関係を「和食」と呼び一つの代表的食文化として認められたのが20013年にユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」なのです。

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無形文化遺産では、その特徴を次の4点で説明しています。
日本には四季があると言う表現が使われますが、世界の多くの国にもそれぞれ特徴的な四季があります。もちろん、四季の食材もあり四季の食材を使った料理と言う説明では不十分です。和食の素晴らしさは、食材、器、木の葉や飾り等で料理に四季を表現する巧みさにあります。
これら、4つの特徴は、それぞれの章で、和食の成り立ち、食材、食器や暦、調理など詳しく学習する事が出来ます。

「和食と日本料の違い」についてお話しましょう。
食の世界で、日本料理とは会席料理や懐石料理(懐石や茶懐石とも呼ばれる)、また寿司や天ぷらなどの専門料理の事を言います。
そして、もう一つ私たちが日々食している様々な料理を「日常食」と定義しています。
これらの言葉は料理の形式そのものを指しています。
料理形式に冠婚葬祭や年中行事、調理技術や食材加工の技術、器や室礼(しつらい)、おもてなしなど様々な要素・文化を総合したものが「和食」と呼ばれているものなのです。

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食べ物を祝福する

私たちの日常食を見て見ましょう、和食の特徴は何よりもバランスのとれた献立にあります。ご飯を主食とし、味噌汁、副食としてのおかずの取り合わせで栄養のバランスを保っています。
この膳組みを表す言葉が「一汁三菜」です。
一汁とは汁物、一般には味噌汁を指します、味噌の原料である大豆の植物性タンパク質と一緒に野菜等の具材により様々な食品を摂取します。
三菜とは副食、おかずを意味します。右の図に見られる様に副食が必ず3つとは限りません。おかずの数によって一汁一菜、一汁二菜と変化します。

この様なバランスの良い豊かな和食文化はどの様に形成されたのでしょう。
それには3つの要因があると云われています。
一つは地理的要因、国土の75%が、山や丘陵で上質の湧水や地下水を生む事が出来る国土の特徴があります。また生成される水は軟水であるため、料理や酒造りに適した水となります。そして、4つの海流がある事です。寒流と暖流がぶつかり合うところにはプランクトンが多く発生するため多様な魚介類が集まります。
二つ目の特徴は気候です。日本列島は東アジアモンスーン地帯に属しているので、季節によって規則的に風向きが変わり、冬にはシベリアからの冷たい空気、夏には亜熱帯の高温多湿の空気が流れ込み多くの雨をもたらします。
こうした、多様な気候・風土により地域の特産品やそれぞれの地域の郷土料理が生まれました。
三つ目の要因は異文化との交流です。長い歴史の中、日本人は中国やヨーロッパの文化を取り入れそれらを和式化しました。精進料理や卓袱料理がその例として挙げられます。

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お寺の鐘

一汁三菜の元となったのが、室町時代に確立された、本膳料理です。「本膳料理」とは簡単に言ってしまうと、武家の宴会コースメニューのことです。
公家の大饗料理と呼ばれるコース料理の影響を受けて、5つの膳からなる武家の宴会接待料理として生まれました。下中央の膳を「本膳」と言い、現在の「一汁三菜」の原型となりました。非常に形式にこだわったコース料理で「式三献」と呼ばれる酒の儀礼から始まります。この「式三献」が現代にも伝わる「三々九度」です。
そして、もう一つ和食の味付けや食材の使い方、調理方法に影響を与えたのが「精進料理」です。これは鎌倉時代に中国から伝わった禅宗の料理で肉・魚を一切使わない仏教料理です。
精進料理は千利休が確立したと言われている「侘茶」の「懐石」にも大きな影響を与えました。現代でも一部のお寺で食べる事が出来ます。

本膳料理や精進料理は現在にも残る2つの「かいせき料理」、「懐石料理」と「会席料理」を生み出しました。
料理と言う言葉が使われているため、何を使った料理と言う質問もありますが、ここで言う料理とは、コース料理のことで、日本語では「膳組み」と言う言葉を使います。懐石料理は安土桃山時代の茶人、千利休によって形づくられた茶事(茶会)のための料理です。侘茶の世界では「懐石」とだけ言い、「懐石料理」とは言いません。
料理の基本は一汁三菜。
食べきれる量を出来立ての状態でコース風に提供します。
食べられない飾りを省き食材との一期一会を大切にします。
禅の精神から影響を受け「懐石」と言う表現になったと云われていますが、初期には「会席」の文字が使われていました。
ではもう一方の「かいせき」、江戸時代に経済力の向上した町人に好まれた宴会のコース料理を「会席」といいます。
飲酒と美食の風潮が一般化した結果生まれた料理ですが、形式に囚われず酒と共に料理を楽しむ事が目的でした。
一説では、俳句の会の後の酒宴が始まりと云われています。

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カップ

食のために欠かせない器や道具もまた異文化の影響を受けながら変化していきました。
古代には木の葉で作られた「葉盤(ひらで)」や「葉碗(くぼて)」が器として使われました。また木の葉は甑(こしき)の中に敷かれるなどして利用されました。
柏の葉を利用した名残で料理人は古く膳部(かしわで)と呼ばれています。
現代でも使われている木製の器や道具には、高杯(たかつき)や碗、匙などがあります。後に木製食器に漆を塗り耐久性を高めた漆器が生まれます。
古墳時代には、大陸から土師器(はじき)と呼ばれた土器や須恵器(すえき)と呼ばれた陶器などの製陶技術が伝わりました。
また江戸時代には日本で初めての磁器が有田で誕生します。
箸の伝来については、諸説あり「魏志倭人伝」では3世紀ごろ日本人は手を使って食事をしていたと書かれていますが、日本書紀や古事記では3世紀には既に日本人は箸を使っていたと言う記載があります。どちらが正しいのかは歴史の解釈を待つしかありません。

和食には欠かせない様々な調味料は古代からあった訳ではありません。
雨が多く湿度が高く、岩塩の無い日本では長い間、塩は貴重な調味料でした。そうした中、食の美味しさを求める日本人は様々な調味料を造ってきました。
現代では、それほど多く口にする事がありませんが、肉や魚、穀物、海藻などを塩漬けにして、発酵させて得られた物を「醤(ひしお)」と呼び、調味料として使っていました。醤は今日の味噌や醤油、漬物、塩辛の原型となった調味料です。
鎌倉時代以降、大豆の生産量が増大し庶民の調味料として味噌や醤油が広まりました。

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